家庭の寝室やリビングは薄暗いくらいがちょうど良い
最近、睡眠を研究する専門家が注目を集め、さまざまな場面で発信を行っています。
その中でも、「夜に過ごす部屋の照明は薄暗いほうがよい」という話を耳にしたことはありませんか?
寝室やリビングを昼間のように明るくすると、脳が覚醒して体内時計が乱れ、寝つきが悪くなると警鐘を鳴らす研究者もいます。長期的には、認知症をはじめとするさまざまな健康リスクを引き起こす可能性も指摘されています。
実は、私は20年ほど前に京都で照明の専門家から同じような話を聞いたことがあります。その方はかつて「明るい〇〇♪みんな家中何でも〇〇♪」というキャッチフレーズで日本のリビングを蛍光灯で明るくすることを推進した電機メーカーに所属していました。しかし、その方自身は「蛍光灯はもともと作業用の照明なので、リビングでくつろぐには不向き」と考えていたそうです。
欧米の住宅やホテルを見ても、リラックス空間に蛍光灯を使うことはほとんどありません。もし使うとすれば、勉強や仕事用のデスクランプくらい。部屋の照明が明るすぎると、睡眠障害を引き起こし、体内時計を狂わせてしまう点で、睡眠研究者と同じ意見でした。
実際に、薄暗い部屋のほうが落ち着きますし、陰影が生まれることで空間に奥行きが出て、ムードのある雰囲気になります。それ以来、私もリビングでは照明を落として過ごすようになりました。
時代とともに照明は蛍光灯からLEDへと移り変わりましたが、本質的な考え方は変わりません。夜のリビングや寝室では、できるだけ明るさを抑え、電球色の照明を使うのがおすすめです。

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